海老蔵 團十郎さんの辞世の句を公表へ
歌舞伎俳優・市川海老蔵(35)が19日、羽田空港で行われた「2020年オリンピック・パラリンピック開催都市決定200日前記念イベント」にゲスト出演し、今月3日に亡くなった父・市川團十郎さん(享年66)が“辞世の句”を残していたことを明かした。
27日に都内で営まれる團十郎さんの本葬で公表するという。また、イベントでは同じ伝統を背負う者として、五輪でのレスリング開催を熱望した。
父の本葬に向けて準備を進めている海老蔵。この日の午前中に、團十郎さんがパソコンの中に残していた言葉を発見したという。「昨年の12月くらいに、死を意識した俳句のようなものを残してました」と驚きを隠さなかった。
團十郎さんは昨年12月に体調不良を訴え舞台を降板。今年4月の新しい歌舞伎座開場に向けて必死に治療を続けていた。周囲には前向きに病気と闘う姿を見せていたが、12月の時点で、すでに予感していたようだ。
海老蔵は27日の本葬で、この“辞世の句”を公表することを約束。「なかなか深い、父らしい内容です。それをみなさんに見ていただければと思います」と團十郎さんの思いをファンに伝える意向だ。観客を喜ばせることを常に第一に考えていた團十郎さん。本葬は、そんな父の最後の“舞台”だけに「父だったらどうして欲しいか、というものに近づけるようにしたいですね」とできる限り遺志を反映させるつもりという。
イベントではオリンピックでのレスリング存続を熱望した。「日本でも伝統のある競技ですし、2020年の東京では絶対見たいですよ!」と言葉に力を込めた。ジャンルは違えど、長い伝統を担う者として、発表の舞台が消滅危機にあることに心を痛めていた。
北京とロンドンオリンピックで銀メダルを獲得したフェンシングの太田雄貴(27)らとともに20年の東京オリンピック開催も猛アピール。「ご要望があれば開会式で歌舞伎もお見せします。国民が熱狂的に盛り上がれば競合相手にも負けないと聞いていますし、ぜひ日本でオリンピックを見たいですね」と協力を惜しまない姿勢だった。