海老蔵、初の自主公演 宮本亜門氏と

 歌舞伎俳優の市川海老蔵(35)が、初の自主公演「ABKAI(えびかい)」(8月3~18日=東京・Bunkamuraシアターコクーン)を上演することが20日、分かった。

 歌舞伎作品を初めて手掛ける演出家・宮本亜門氏(55)とのタッグで、おとぎ話を基にした新作「はなさかじいさん」を用意。さらに、市川宗家のお家芸である「歌舞伎十八番」から「蛇柳(じゃやなぎ)」を66年ぶりに復活させることも決まった。

 父・市川團十郎さん(享年66)を亡くしたばかりの海老蔵が、市川宗家の継承者として新たな挑戦を見せる。

 海老蔵は1年半前からセルフプロデュースの自主公演を計画していた。実現が決まった昨年12月には、父・團十郎さんが出演していた京都・南座まで行き、直接報告したという念願舞台だ。

 演出は宮本氏、脚本は劇作家・宮沢章夫氏(56)。昨年2月、宮本氏演出の舞台「金閣寺」を海老蔵が鑑賞し、タッグを約束した。公演では、宮本氏演出による新作「はなさかじいさん」と、「歌舞伎十八番」で66年ぶりとなる「蛇柳」を上演。敬愛する中村勘三郎さん(享年57)が愛した渋谷のシアターコクーンを会場に選んだ。

 海老蔵は「父、十二世團十郎は歌舞伎十八番の復活に意欲のある人でした。その遺志を受け継ぎ、十八番の中でほとんど務められてこなかった演目『蛇柳』の復活に挑みます」と父の遺志を継ぐことを改めて宣言。「僕の新たな歌舞伎人生の始まりということも含めて気合を入れ直し、もう一回り役者としても人間としても大きくなれるよう考えながら、この舞台に挑みたいと思います」と父に胸を張れる舞台を作り上げることを誓っていた。

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