まき子夫人が裕次郎さんとの共著を語る
昭和の大スター・石原裕次郎さんの未亡人・石原まき子さん(79)が21日、TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」(月~金、前8・30)に生出演し、20日に発売した、裕次郎さんとの初の共著「死をみるとき」への思いを語った。裕次郎さんが87年7月17日に52歳で亡くなるまでの闘病記と、まき子さんの看護日記を並記したドキュメント本で、初公開となる告別式の写真も掲載されている。
「死をみるとき」は、裕次郎さんとまき子夫人の共著。2人が“共同作業”で本を出すのはこれが初めてだ。まき子夫人は「やっぱり永遠に夫婦でいてほしいっていう願いです」と表紙に並んだ2人の名前をいとおしそうに見つめた。
この日は初体験のラジオ生出演で著書、裕次郎さんへの思いを激白した。著書の内容はそれぞれの日記がベースとなっているが、実はまき子夫人は2009年の裕次郎さんの二十三回忌まで日記を開くことができなかったという。
療養中は、裕次郎さんが好きなたばこ、お酒などにストップをかける立場だったことから「いやな女房でした。だから『マコのやつが…』って恨み言を書かれてたらどうしようと思って」と乙女心がブレーキになっていた。だが、スタッフに目を通してもらうと恨み言など一切無し。自身の日記と照らし合わせると2人の気持ちがピタリと合う記述もあり「夫婦はいつも一緒であるというのをあらためて感じました」と明かした。
固いきずなが感じられる一方、裕次郎さんが病に苦しみ、徐々に衰弱してゆく過程も克明に記されている。亡くなる1カ月前には「何のために俺は生きているんだろう」と弱音を吐いたこともあったという。まき子夫人は「私やファンの方も、夫婦のどちらかが闘病するような年代に入ってきた。治療の現実をお見せしたいという気持ちもありました」と出版に踏み切った心境を説明した。
著書の最後にはこれまで封印していた写真を掲載。87年7月19日の葬儀で、まき子夫人がひつぎの裕次郎さんにすがりつくように語りかけている一枚だ。掲載に迷いもあったが「最後のページは裕さんとの“最後のカット”にしたかった」。秘蔵の1枚には夫婦のきずなが凝縮されている。