海老蔵ユーモア口上…團十郎さんの思い出

 歌舞伎俳優の市川海老蔵(35)が3日、東京・ル テアトル銀座で「三月花形歌舞伎」(24日まで)の初日を迎えた。父・市川團十郎さんが2月3日に肺炎のため66歳で死去して以来、初の舞台となる海老蔵は、幕あいには口上を述べ、團十郎さんの思い出をユーモアたっぷりに披露して「これからも歌舞伎をご愛顧いただけますように」と言葉を強め、ファン770人の喝さいを浴びた。

 柿色の裃(かみしも)姿でたった一人、海老蔵はユーモアたっぷりの口上を述べて、会場を笑いで包んだ。

 團十郎さんが死去して以来初めてとなる舞台の演目は、12月に亡くなった中村勘三郎さんゆかりの「夏祭浪花鑑」と「高坏」で、08年4月に米アリゾナの勘三郎さんの別荘を訪ねて手ほどきを受けた。父の勇壮さに勘三郎さんの華を加味した“海老蔵流”で、大きな拍手を浴びた。

 その後の口上では、まじめな團十郎さんの自宅が07年のパリ公演前にフランス語の張り紙でいっぱいになった話や、アリゾナで勘三郎さんと朝まで酒を酌み交わした楽しい思い出を披露した。「父は陽気な人だったから、あまりしんみりせず残された者たちが元気でいる姿を見せたい」という思いの通り、涙は封印。満員の客席から「成田屋!」の声が飛んだ。

 口上は当初、共演者と一緒に行う予定だったが、團十郎さんの死を受けて海老蔵の“一人舞台”に変更。2月に行われた同作の会見で「市川宗家の重圧や責任は、これまでと全く違うと感じている」と語ったように、歌舞伎界の中心に立つ覚悟を態度で示した。

 なお、海老蔵の妻でフリーの小林麻央キャスター(30)は、3月末に第2子となる長男の出産を控えているため、先月27日に行われた團十郎さんの本葬に続いて姿を見せなかった。

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