“半グレ集団”は「準暴力団」
警察庁は7日、「関東連合」(解散)などの元暴走族メンバーを中心に犯罪行為を繰り返している“半グレ集団”を「準暴力団」と規定し、実態解明を進めるとともに、取り締まりを強化することを決めた。元暴走族グループによる凶悪事件や振り込め詐欺被害が相次ぎ、「暴力団に匹敵する資金源を形成しつつある」(警察庁幹部)ことから対策が急務と判断した。暴力団対策法は適用されない。
半グレは、暴力団と一般人の中間を意味し、暴力団に類似した犯罪行為を行う集団を指す。警察庁によると、グループは暴力団のように明確な組織性はないものの、暴走族時代の先輩後輩や独自の人脈で緩やかにつながり、集団的、常習的に暴力的な不法行為をしている。一部は暴力団とも密接な関係があるという。
警察当局が念頭に置いているのは、関東連合のほか、中国残留孤児2、3世らを中心に結成された「怒羅権(ドラゴン)」の元メンバーや日本人らでつくるグループ。
関東連合は首都圏の暴走族が集まって1973年ごろに結成。2003年に解散したが、元メンバーが10年11月、歌舞伎俳優・市川海老蔵殴打事件を起こした。
また、別の元メンバーらは昨年9月、東京・六本木のクラブ「フラワー」で、客の男性を金属バットで殴るなどして死亡させたとして、その後、傷害致死罪などで起訴された。
怒羅権は88年ごろから首都圏で活動。元メンバーらグループが、あいさつ料を徴収したり、薬物密売に関与したりしているという。
こうしたグループが台頭してきた理由について、警察庁の担当者は「振り込め詐欺などで資金源を得たことや、暴力団に入ってもあまり収入を得られないことが背景にあるのではないか」と分析している。