「玉袋筋太郎」でNHK紅白出る
漫才コンビ「浅草キッド」の玉袋筋太郎(45)が20日、都内でデビュー曲「酔街エレジー」を“ザ・ドブ板キャンペーン”と銘打って店頭PRした。タレントのビートたけし(66)に弟子入りして27年、「哀愁と加齢臭漂う、今年46歳の新人歌手」として悲願を成就させ「この名前で今年の紅白歌合戦を狙う」と宣言。民放では“放送禁止歌”だった歌手・美輪明宏(77)の名曲「ヨイトマケの唄」が昨年の紅白で歌われたことに続き、きわどい芸名での“NHK紅白ジャック”をぶち上げた。
“ヨイトマケ”の次は“玉袋”だ。
中年ルーキーはデビュー曲発売のこの日、昭和の香りが残る東京・赤羽と東十条の商店街に出没した。
当世はやりのCDショップでのインストアライブではなく、演歌歌手のカセットテープが満載のレコード店で、「俺の血管には芋焼酎が流れ、肝臓はカツオの酒盗。酒でうがいして、この声を作った」というハスキーボイスで歌い上げた。
玉袋は「今年の紅白歌合戦を狙う。『ヨイトマケの唄』も歌えたんだから『玉袋』もOKでしょ」と、NHKに宣戦布告。放送禁止スレスレの芸名を国民的歌番組の歴史に刻もうという、壮大かつ無謀な野望をブチ上げた。
芸能界一のスナック通で、テレビ番組や東京・お台場での月1イベント、著作でその魅力を語る。「ネット社会と言っても、人との触れ合いが芸能の原点。俺の『SNS』はスナック・ネット・サービスだ」と力説。「染み入る歌がないとお嘆きの貴兄に聴いて欲しい。赤羽の煮込み同様、歌えば歌うほど味が染みる大人の応援歌。高度経済成長期のクレイジー・キャッツのような歌でありたい」とアピールした。
目標は100万枚。赤羽では“ドブ板方式”で、1万分の1に当たる約100枚を手売りした。洋服店に勤務しながら音楽活動をしているイケメンの長男・晃宏さん(20)も手伝いに駆け付け「意外といい声」と感心しきりだ。父・玉袋は「手弁当で全国を回りますよ。枕営業も辞さない」と、芸人魂をさく裂。大みそかに“玉袋”の文字を刻むべく、地道に泥くさくキャンペーンを続ける覚悟を示していた。