歌舞伎俳優の中村勘九郎(31)と中村七之助(29)兄弟が22日、都内で行われた放送事業の発展、放送文化の向上に功績のあった人物に贈られる「第64回　日本放送協会　放送文化賞」の授賞式に、昨年12月に死去した受賞者の父・中村勘三郎さんに代わり出席した。

　勘三郎さんは生前、歌舞伎俳優として古典芸能番組はもちろん、大河ドラマ「元禄繚乱」での主演、紅白歌合戦の司会やバラエティー番組にも出演するなど、幅広く活動してきた。そんな活躍が認められての受賞となった。

　父の代わりに賞状などを授与された勘九郎は「父も受賞を喜んでいると思います。できれば生きているうちに頂きたかったと思いますが」と冗談交じりにあいさつ。そして「生前、父が口を酸っぱくして言っていた“表現者たる者、いろいろな人やモノと出会い、吸収して、危機感を持って発信し続けなければいけない！”という言葉を胸に、父の魂を受け継ぎ努力精進を重ね、僕たちも何十年後かに、この場に帰ってこれたらうれしいです」と、七之助と共に父に続く兄弟での受賞を誓っていた。