ユーミン、97歳の大先輩に感謝
昨年デビュー40周年を迎えたシンガー・ソングライターの松任谷由実(59)が4日、音楽文化の普及・向上に功労した人物などをたたえる「第4回岩谷時子賞」を受賞し、都内で表彰式に出席した。
故越路吹雪さんや加山雄三らの作品を手がけ、今も健在の大先輩作詞家からの栄誉に、大感激のユーミンは、デビューアルバムの表題曲「ひこうき雲」を異例の弾き語りで披露し、感謝の意を表した。
“天神様”からの表彰に、さすがのユーミンも思わず声を詰まらせた。
壇上に上がったユーミンは「言葉にならないくらいうれしい。岩谷さんは私にとって、菅原道真公のような方。音符に乗せるのが難しい日本語を愛し、格闘してきた」と語り、「(舞台裏で岩谷さんに)いっぱい触っちゃった」と少女のようにはしゃいだ。
岩谷氏は、終戦前から故越路吹雪さんのマネジャーを務め、「愛の讃歌」や「ラストダンスは私に」などの訳詞を手がけたほか、加山の「君といつまでも」、郷ひろみの「男の子女の子」など、数々の大ヒット曲を作詞してきた。
97歳になった大先輩から、ポップス界をけん引してきた功績をたたえられたユーミンは、歌声で“お礼”。
7月20日に公開となる宮崎駿監督の最新作「風立ちぬ」の主題歌にも決まった「ひこうき雲」をピアノの弾き語りで披露した。ユーミンがライブなど以外で歌唱するのは「ほとんど記憶にないほど珍しい」(関係者)という。
ユーミンの粋な計らいに、ほかの受賞者も感激顔だった。特別賞の映画監督の岩井俊二氏(50)は「『大ファンです』とあいさつした。隣に並ぶだけで体の横半分がマヒしたよう」と興奮。奨励賞の歌舞伎俳優、中村勘九郎(31)も「すごいご褒美をもらえた」と声を弾ませた。
昨年リリースしたベスト盤「日本の恋と、ユーミンと。」は73万枚以上を売り上げ、健在ぶりを示したユーミン。現在、新アルバムのレコーディング中で「ベスト盤に負けないような作品にしたい」と意気込んだ。