橋下市長、デーブの助言で軌道修正
日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長(43)は16日の民放番組で風俗業の活用を在日米軍に求めたことに「あまりにも国際感覚が足りなかった。
反省すべきところがある」と表明した。同時に「売買春を勧めているわけではないが、米国の風俗文化の認識が足りなかった」と釈明。国内外で高まる批判を受け軌道修正を図った。午後には、市役所で自身の進退について「有権者が判断することだ、自分からは降りない」と述べ、役職辞任を否定した。
在日米軍に風俗業活用を求めた橋下氏が、前日までの強気の姿勢から一転、「反省」を口にした。
この日朝、民放番組に出演し、風俗業の活用を在日米軍に求めた自身の発言を軌道修正。「あまりにも国際感覚が足りなかった。反省すべきところがある」。「米国の風俗文化の認識が足りなかった。表現不足だった」などと釈明した。
米国事情に詳しい友人で、テレビ番組などの共演もある放送プロデューサーのデーブ・スペクターさんのアドバイスを受け、6月に予定している訪米に悪影響が出かねないと判断、米側に配慮したとみられる。女性の人権に関わる風俗発言に関して、米側は強い拒否感を表明。番組内で橋下氏は、デーブさんから、米国世論の厳しさを伝えるメールが届いたことを自ら明かした。
橋下氏は大阪市長として、日本維新幹事長の松井一郎大阪府知事と米国に出張する予定。関係者によると、手続きを進めている大阪市が「従軍慰安婦や風俗活用の発言で、現地の受け入れ態勢が十分に整わない可能性が出ている」として、いったん見合わせる事態になっていた。
市役所で取材対応した橋下氏はあらためて「風俗活用の発言は、不適切だったのは間違いない」と述べたが、撤回については「『不適切でした』で十分だ」と拒否した。
外国人記者から、6月の渡米への影響をたずねられると「あるでしょうね。入国拒否はされないと思うが、行くのを控えるというのは違う。行った上で批判は受ける」と決意をにじませた。
自身の進退については「有権者が判断することだ。自分からは降りない」と役職辞任を否定。市長の立場で市民に不快感を抱かせたことには「選挙で有権者が意思表示すればいいんじゃないですか」と話すにとどめた。