勘九郎 次男は父の名にちなみ「哲之」
歌舞伎俳優・中村勘九郎(31)と女優・前田愛(29)夫妻に22日、第2子となる男児が誕生した。東京・明治座で「五月花形歌舞伎」(27日まで)に出演後、取材に応じた勘九郎は、昨年12月に他界した父・十八代目中村勘三郎さんの本名・哲明(のりあき)から一文字をとり「哲之(のりゆき)」と命名したことを報告。「もし役者になってくれるなら、父のように…。いい役者になってほしい」と新たな希望に思いを託した。
勘九郎は、愛夫人がこの日午前11時46分、都内病院で第2子となる男児を無事出産したことを報告。父の本名から一文字をとった「哲之」と命名したことを明かした。
「哲」の字を名前に入れたいという思いは、勘三郎さんが他界して間もない今年1月ごろから、夫妻の頭にあったという。勘九郎の母・好江さんも「ぜひ入れてほしい」と希望したことから、長男・七緒八くん(2)の命名時に姓名判断を依頼した知人に相談したところ、「(本名の)波野という姓に、哲の字はよく合う」と勧められたという。
勘九郎は「(次男を)『のりちゃん』と呼ぶのは、父を呼ぶようで微妙なんですが…」と、呼び方が勘三郎さんの愛称と同じになることに照れ笑いしつつ、「(次男は)父に会えなかった分、字を頂いて。七緒八と一緒に兄弟助け合って、中村屋を守る存在になってほしい」と思いを語った。
愛夫人の妊娠が分かった当時、病床の勘三郎さんは言葉を発することができない状態だったが、妊娠を喜ぶ好江さんが度々、報告すると「分かってる」と口を動かし笑ったという。
哲之くんは自身の赤ちゃんのころとそっくりだそうで、勘九郎は「もし役者になってくれるのなら…父のように。良い役者になってほしい。ぶっちゃけ楽しみなんです」と笑顔を見せた。勘三郎さん、弟・中村七之助(30)と共に演じた「連獅子」に思いをはせ「私にとって『連獅子』は父との思い出深い作品。いつか(子供と)3人でできるようになったら、いいですね」と未来を見据えていた。