橋下市長、オスプレイ訓練受け入れ表明
日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長(43)は3日、6日に菅義偉官房長官(64)と会談し、米軍新型輸送機MV22オスプレイの訓練の一部を大阪府の八尾空港で受け入れる提案をすることを表明した。沖縄の在日米軍基地負担軽減のため「沖縄が基地負担していることに比べれば、オスプレイの訓練ぐらいは本州で受けないといけないと思う」と語った。実現性に関しては「防衛政策上、可能かは分からない」とし、日本政府に判断を委ねる姿勢を示した。
維新幹事長の松井一郎大阪府知事の構想として明らかになった、オスプレイ訓練の大阪受け入れ。大阪市役所で取材対応した橋下氏は、あくまで日本政府への提言であるとした。
橋下氏は、自身が代表を務める大阪維新の会が政策協定を結んだ沖縄の政治団体・そうぞう(下地幹郎代表)との協議の中で「基地負担の一部でも軽減してくれないか」と打診を受け、協議してきたことも明かした。
八尾空港が候補となっていることについては「大阪なら八尾空港があるがどうか、というぐらいのレベル」と説明。「防衛庁や米軍が判断することで、それは日本政府で検討してもらわないといけない」とした。
具体的な提言内容に関しては、6日に菅官房長官と会談するまでに党内で精査するという。また橋下氏は、今回の提言と、自身が在日沖縄米軍に「風俗の活用」を求めた発言への反発との因果関係について「全くない。それ以前から、そうぞうと協議してきたことだ」と否定した。
この維新構想に対し、与野党幹部は「軍事合理的にどうかという観点が全く抜けている」(石破茂自民党幹事長)などと相次いで批判。共産党の市田忠義書記局長は「内外から厳しい批判を受けたことを取り繕うためののパフォーマンスだ」と反発し「オスプレイは米国に持ち帰ってもらうべきだ。訓練で大阪上空を使うのは絶対に許されない」と主張した。
また、八尾市の田中誠市長は「危険性が非常に高いと判断している」と反対。小西禎一副知事に対して「説明もなく、遺憾だ。受け入れられない」と伝えたという。