アリス、福島で復興支援無料ライブ
3人組グループ・アリスが14日、福島県郡山市内の東日本大震災被災者用仮設住宅を訪れ、復興支援無料ライブを行った。
谷村新司(64)、堀内孝雄(63)、矢沢透(63)の3人だけでトラックステージに立つと、谷村が作詞作曲した山口百恵さん(54)のヒット曲「いい日旅立ち」を、アリスでは初めて披露。「どんなことがあっても、いつだって旅立ちの日になる」と、聴き入った400人を励ました。
最高気温30度という青空の下、地べたに段ボールを敷いた“客席”に向けて、仮設住宅の駐車場に設置されたトラックステージに立った3人だけの演奏が響き渡った。
舞台は質素だったが、選曲は豪華だった。「3人だけのステージなんて本当に久しぶり。昔に帰ったみたいだね」と目を細めた谷村は、堀内、矢沢と目配せするとヒット曲「今はもうだれも」でライブを開始。「冬の稲妻」「チャンピオン」など、往年のヒット曲を連発して沸かせた。
クライマックスは「いい日旅立ち」。これまでアリスのライブで歌うことはなかったが、「みんなが知っている曲を、一緒に歌うことが励ましになるはず」と選択した。
福島第一原発事故の影響で同市の仮設に避難している川内村・富岡町の400人と合唱した谷村は「いろんなことがあっても、いつだって旅立ちの日になる。そのエネルギーに歌がなればいい」と呼びかけた。
1981年の活動休止以来5度目の活動再開で、アリスは47都道府県ツアーを敢行中。その目的のひとつが慰問ライブだった。09年のツアーでは、東北公演は仙台のみ。その後に震災が起きたことで「次は東北を全県回ろう。それだけじゃなく自分たちから出向く形でライブをやろう」と企画し、この日実現した。
今後は岩手・宮城も慰問する予定。アリスは「お客さんの笑顔が見られて幸せだった」(堀内)「こういう活動は続けていきたい」(矢沢)と、晴れやかな表情だった。