富士山、三保松原も含め逆転登録!

 カンボジア・プノンペンで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)第37回世界遺産委員会は22日、日本政府が推薦した「富士山」(山梨県、静岡県)について、景勝地の「三保松原」(静岡市)を含めて世界文化遺産に登録することを決めた。

 山岳信仰の対象で、浮世絵など多くの芸術作品に描かれた日本の象徴として、文化的な価値を高く評価した。国内の世界遺産は2011年登録の平泉(岩手県)と小笠原諸島(東京都)以来で、17件目となる。

 三保松原は、ユネスコ諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)が距離を問題視して除外を勧告していたが、各国から「富士山と一体だ」などの意見が相次ぎ、一転して登録が認められた。遺産の名称を「富士山‐信仰の対象と芸術の源泉」とすることも決めた。26日の世界遺産委の会合で正式に登録される。

 富士山は、富士山信仰で聖域とされる標高1500メートル以上の山域のほか、ふもとの浅間神社や富士五湖、白糸ノ滝などの名勝、文化財で構成。

 かつて地元は世界自然遺産を目指したが、ごみ問題や、火山として世界的な独自性がないなどの理由で03年に候補選考から脱落。政府は、古くから信仰登山や巡礼が盛んで、絵画や文学作品にも繰り返し登場した文化的価値に注目し、12年に文化遺産として推薦した。

 イコモスは13年4月、富士山を描いた葛飾北斎らの浮世絵が西洋の画家に刺激を与えたことを念頭に、「影響は日本をはるかに越える」と評価。宗教的伝統も含め、世界遺産にふさわしいとして登録を勧告した。

 富士山から45キロ離れた三保松原については「山の一部とみなせない」と除外を勧告。政府は、浮世絵の題材になるなど芸術との関係の深さを主張し、世界遺産委の委員国を中心に登録への理解を訴えていた。

 14年の世界遺産委では、政府が推薦済みの「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)の登録の可否が審査される予定。

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