「凶悪」白石和彌監督が広島でPR
死刑囚が連続殺人事件の首謀者を告発、その真相を雑誌ジャーナリストが暴き出すという実話を映画化した「凶悪」のPRで白石和彌監督(39)が来広。故・若松孝二監督に師事し「人の反対側からの視点でモノを見る影響を受けた。今作にも、それが如実に出ている」と語った。
原作は、ベストセラーノンフィクション「凶悪‐ある死刑囚の告発‐」。記事が警察を動かし、首謀者が逮捕…ジャーナリストの勝利のはずだが、撮影前に会った原作者・宮本太一には「凶悪事件の闇ばかりのぞいているからか、無常観を感じた」。それを映画に写しこみ、人間ドラマとしてのサスペンスを完成させた。「実際に起きた事件をエンターテインメントで映画にしている僕が、実は一番凶悪なのかもと気付き、戒めを込めた」というラストシーンに注目だ。
使命感と狂気の間で揺れ動く主人公のジャーナリストに山田孝之(29)。死刑囚をピエール瀧(46)。首謀者役は初の悪役に挑んだリリー・フランキー(49)。3人の鬼気迫る演技が強烈な印象を残す。21日全国公開。