アリス32年ぶり野外ライブで興奮熱唱
全国ツアー中のベテラン3人グループ・アリスが29日、東京・日比谷野外音楽堂でコンサートを行った。野外で本格ライブを行うのは1981年11月に後楽園球場で解散コンサートを行って以来、32年ぶり。当時の公演と同じように、前半は3人だけでのステージを披露するなど、2時間半で28曲を熱唱した3人は、「野音が100周年を迎える10年後にまたやりたいね」と意気盛んに語った。
あかね色に染まった秋空に、アリスのハーモニーが響き渡った。
中高年ファン3000人の手拍子の中、谷村新司(64)、堀内孝雄(63)、矢沢透(64)の3人は、32年ぶりの野外ステージに立つと「みんな元気でよかったなぁ。懐かしいのいっぱいやるぞ~」と声をかけ、スタート。
3人だけで行った後楽園球場での解散コンサートと同様、前半8曲はバンドなしで、デビュー曲「走っておいで恋人よ」や「愛の光」など初期の名曲を歌い上げた。谷村は「屋外でやるからには、と3人で自然に決まった。やっぱり気持ちいいよね」と笑顔。
バンド編成になった後半は「冬の稲妻」「チャンピオン」など代表曲を連発した。この日は5月にスタートした全都道府県ツアーの55公演目で「力が抜けて、一番いい状態」(谷村)。アンコールでは、09年に谷村が堀内と矢沢に再録音を呼びかけ、復活のきっかけとなった「明日への讃歌」を3人だけで熱唱した。
日比谷野音でライブを行うのは80年以来33年ぶり。60年代からフォークやロックの聖地として知られる野音には、3人とも深い思い出がある。初めて同所でライブを行った74年4月23日のリハーサル中に長男の孝洋さん(39)が誕生した堀内は「ずっとドキドキソワソワしていたのを覚えている」と振り返った。
野音は今年90周年。会場側からは、3人に10年後の100周年でのライブがオファーされており、谷村は「全員70代だからな」といいつつ「元気だったらやりたいね」と意欲を見せていた。