山崎豊子さん自宅で密葬…書店で品切れ
9月29日に心不全のため死去した、作家の山崎豊子(本名杉本豊子、享年88歳)さんの葬儀が1日、大阪府堺市の自宅で密葬として営まれた。
親族や出版関係者ら40人が参列。親族の男性によると、棺には山崎さんが好きだった帽子や愛用の眼鏡などが収められ、おいで喪主の山崎定樹氏が「おばの執筆した書籍を、多くの方にご愛読いただけるよう、がんばっていきます」とあいさつしたという。親族らによって霊きゅう車に運ばれた棺は参列者や近隣の住民らが手を合わせて見送る中、静かに旅立った。
人気作家の訃報を受け、新潮社と文芸春秋は著作本の緊急増刷を決めた。新潮社は「女系家族」「白い巨塔」「華麗なる一族」「沈まぬ太陽」などの文庫を計約30万部増刷することを決定。文芸春秋も「大地の子」の文庫版全4巻を計12万部、山崎さんが執筆取材を振り返った「『大地の子』と私」を1万部増刷することにした。
都内の書店では品切れ本も続出。紀伊国屋書店新宿本店の担当者は「いま本を発注しており、近く追悼コーナーを設けたい」と話している。