薬師丸ひろ子 コンサートに不安あった

 女優の薬師丸ひろ子(49)が11日、都内で女優デビュー35周年記念コンサートの最終公演を行った。

 9月末まで放送されたNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」では音痴の大女優・鈴鹿ひろ美を演じていたが、打って変わって美声を披露し、歌手としての“カ・イ・カ・ン”を満喫。音程が「移ろわないように心に決めて」臨んだステージで、ドラマで浸透した音痴キャラを吹き飛ばした。

 単独コンサートは23年ぶりの薬師丸は「始まるまでとても不安がありました」と告白した。

 久しぶりのパフォーマンスに加えて、「あまちゃん」人気で全国に浸透した鈴鹿の音痴キャラクターも不安のタネ。「桁外れの音痴という役でしたので、お客さまが来てくれるかどうかと思ってました」とチケットの売れ行きを心配するほどだったという。

 しかし、ふたを開ければ大阪、東京での4公演、合計6500枚のチケットは完売だった。「(音程が)移ろわないようにと心に決めて」立ったステージでは「セーラー服と機関銃」や「探偵物語」などのヒット曲を含む21曲を披露。昔と変わらぬ美声は「あまちゃん」のクライマックスで鈴鹿が「潮騒のメモリー」を見事に歌いこなすシーンのようだった。

 トークでは節々に「あまちゃん」ネタをちりばめた。毎朝、放送を見ていたそうで「『あまちゃん』の後の『あさイチ』で井ノ原(快彦)さんが『薬師丸さんは音痴じゃないですよ』と言ってくださって、何度手を合わせたことか」と感謝。歌の合間にのどをうるおす時にも「“鈴鹿スペシャル”は食物繊維が豊富で、のどに引っかかるんで、これは水ですから」と笑わせた。

 女優デビュー35周年記念のコンサートとあって、過去に出演した映画の思い出話も披露。「カ・イ・カ・ンなんてのもありましたね」と映画「セーラー服と機関銃」の名せりふも再現した。さらに12月4日にカバーアルバム「時の扉」を発売することも発表した。ステージで歌うのはやはり「カ・イ・カ・ン」だったようで、「そう遠くない未来にまたお目にかかれればと思います」と歌手の顔で再会を誓った。

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