山本太郎 前代未聞!陛下に“直訴”
山本太郎参院議員(無所属)が31日、東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれた天皇、皇后両陛下主催の秋の園遊会で、陛下に手紙を渡した。山本議員は“直訴”の内容について、東京電力福島第1原発事故の被災状況を記したものだったことを明らかにした。前代未聞の行動に、与野党からは「天皇の政治利用になりかねない」などと問題視する声が上がっている。
約1800人が出席した園遊会で、山本議員が前代未聞の行動に出た。
招待者が並ぶ場所の最前列に立った山本議員は、近づいてきた陛下に「子どもたちの未来が危ないです」と声を掛け、歩み寄った陛下に「この手紙に実情が書いてあるので、お読みいただけませんか」と、原発事故の被災状況を記した手紙を差し出した。陛下は手紙を受け取ったが、すぐに侍従長が預かった。
山本議員は同日夕、取材に応じ「子どもたちの被ばく状況や原発作業員の劣悪な労働環境、放射線管理がずさんなままの実情を陛下に知っていただくため、手紙をしたためた」と説明。天皇の政治利用に当たるのではないか、との指摘には「そういう思いは全くない」と否定した。手紙は前日、巻紙に筆で書いたという。
参院議員運営委員会は、山本議員への対応を11月1日の理事会で協議することを決定。菅官房長官は「その場にふさわしいかどうかは、参加された方が常識的に判断することだ」と不快感を示した。公明党の石井啓一政調会長は「皇室の政治利用につながりかねない」と批判。民主党の大畠章宏幹事長は「マナーというものがある。国会議員だから何をしてもいいということではない」と疑問を呈した。
園遊会には中央官庁が分野ごとに推薦した各界の功労者や国会議員、官僚、自治体の首長らとその配偶者が招かれ、巨人の長嶋茂雄終身名誉監督、漫画家のちばてつやさんや、歌舞伎役者の中村吉右衛門、歌手の由紀さおりも出席した。