人間国宝・玉三郎がしなやかな舞を奉納
平家ゆかりの六波羅蜜寺(京都市東山区)で16日、開山1050年を記念し、本尊の国宝・十一面観世音菩薩(ぼさつ)の前で、歌舞伎俳優で人間国宝の坂東玉三郎(63)が舞を奉納し、しなやかな踊りで観客を沸かせた。
寺は963年、悪病退散を祈願するため、空也上人が開山。境内には平清盛の供養塔が建立されるなど、平家とのつながりが深い。玉三郎が歌舞伎で演じる平家の武将の恋人「阿古屋」は境内に供養されている。
この日は本堂から屋外にせり出した舞台で、太鼓芸能集団「鼓童」と共演。日本神話を題材に自身が演出した舞踊劇「アマテラス」をモチーフに、優美な舞を演じた。
力強い太鼓や笛のリズムに合わせ、白いドレス姿の玉三郎が扇や鈴を使って舞うと、約1500人の観衆からため息が漏れた。