松任谷由実、国立競技場で名曲熱唱
シンガー・ソングライターの松任谷由実(59)が1日、東京・国立競技場で行われた関東大学ラグビー対抗戦、早大‐明大の試合後のセレモニー「さよなら国立競技場」に登場し、ラグビーを題材にした名曲「ノーサイド」を披露した。
改修工事に入る同会場での最後の早明戦であることから、自身初となるスポーツイベントでの歌唱を快諾。幾多の名勝負が繰り広げられた40年の歴史を、優しい歌声で締めくくった。
国立の芝生の上で40年にわたり重ねられてきた熱い戦いに、ユーミンがノーサイドを告げた。
2020年東京五輪開催に向け、来年7月に改修工事が始まる国立での早明戦は今回で最後となることから、両校がセレモニーを企画した。両校選手が健闘をたたえ合うフィールドに松任谷が現れると、満員の4万6961人から歓声が沸き起こった。
松任谷は「歌わせていただく前に、選手、すべてのOBの皆さんがくぐってこられた厳しい練習の日々へのオマージュをささげたいと思います」と話し、アルバム「NO SIDE」の収録曲「ノーサイド・夏~空耳のホイッスル~」の歌詞を朗読。伴奏を務めた夫・松任谷正隆氏(62)が、朗読にイントロのメロディーを重ねたのを合図に、「ノーサイド」を歌い上げた。
えんじと紫紺のジャージーが肩を寄せ合う光景。歌詞にある「ゆるやかな冬の日の黄昏」そのままの空。語りかけるような歌声に乗せ、楽曲の世界が国立に広がった。「自然と感極まった」と早大の垣永真之介主将(4年)の目にはみるみる涙があふれ、明大の選手たちは歌詞を口ずさみながら聞き入った。
松任谷にとって、スポーツの試合で歌うのは今回が初めて。また、セレモニーはテレビ中継終了後に行われたため、目に焼き付けることができたのは選手と観客だけという特別なステージとなった。大役をつとめあげたユーミンは「ありがとう」と笑顔を見せながら、大きな拍手に送られ、フィールドを後にした。