島倉さん 異例の“遺言”シングル
11月8日に肝臓がんのため死去した歌手の島倉千代子さん(享年75)が、亡くなる3日前に録音した遺作シングル「からたちの小径(こみち)」(18日発売)が、演歌では異例の初回5万枚を出荷することが12日、分かった。また、デビュー60周年を迎える来年、記念コンサートを企画していたことも明らかになった。コンサート用に発注していた幻の衣装2点は今月18、19日に東京・銀座の山野楽器本店で展示される。
お千代さんの魂の絶唱は、発売前からヒットが確実になった。
「‐小径」は、11月14日に青山葬儀所で行われた葬儀・告別式で初披露されてから、所属レコード会社の日本コロムビアに1000件超の問い合わせが殺到。急きょシングル発売が決定した。
その後は全国のショップからオーダーが続々と集まり、演歌では破格の初回出荷5万枚が決まった。関係者は「演歌の初回出荷は、氷川きよしを除けば多くて2万枚程度。今回は普段10枚の店から500枚のオーダーが来た」と驚いた。
同作は亡くなる3日前に録音した島倉さんの歌声に死後、新たに伴奏などを付け加えている。プロモーションビデオには、島倉さんが誕生日の今年3月30日にイベント「コロムビア大行進」で熱唱した姿も登場する。
また、島倉さんがデビュー60周年の記念公演を計画していたことも明らかになった。昨年12月に衣装を発注しており、白鳥をイメージした白の衣装など2着が完成。10月には自宅に届けられたが、島倉さんが見ることはなかったという。
衣装2点は今月18、19日に山野楽器で開かれる「島倉千代子展」で飾られる。同展ではステージで着用したセーラー服ともんぺや、告別式で祭壇に置かれた白いマイクなどゆかりの品々が多数、展示される。