宮根アナ、橋下市長、辛坊氏が大阪で涙

 歌手でタレントのやしきたかじんさんの訃報が公表されてから一夜明けた8日、涙雨の降る大阪で3人の盟友が涙に暮れた。

 親交の深かったフリーアナウンサーの宮根誠司(50)、橋下徹大阪市長(44)、キャスターの辛坊治郎氏(57)がそれぞれ会見、たかじんさんを悼んだ。

 たかじんさんは2年前に食道がんが見つかり闘病を続けていたが、3日に64歳で死去。すでに密葬も執り行われた。

 突然訪れた悲しい知らせを吹き飛ばそうと、宮根は毒舌で叫んだ。「何を死んでくれてんねん!何でもう1回話させてくれへんかったんや」。大阪・読売テレビで「情報ライブ ミヤネ屋」に出演前、「まだ北新地に行ったら、どっかで飲んでるんちゃうかな」と沈痛な表情で語った。

 朝日放送入社2年目に、たかじんさんにラジオ番組に抜てきされ、04年にフリー転身する際には、たかじんさんが同局社長に「宮根に勝負させたってくれ」と直談判してくれた。この日の番組では「天国には行ってない。地獄で閻魔(えんま)さんとケンカしてるでしょう」と宮根らしいトークを展開したが、たかじんさんの曲が流れると大粒の涙がほおを伝った。

 橋下市長は大阪市役所で取材に応じ「やさしくて…強い人でした…」と言葉を詰まらせた。たかじんさんの闘病中に見舞いのメールを送ると、決まって「元気や」「また飲みに行こう」と返事があり、気丈に振る舞っていたことを明かした。

 03年からたかじんさんの番組に出演、08年に大阪府知事選に出馬する前には、たかじんさんから「まだ38歳。やれるならやったほうがいい」と後押しされたという。政界進出後は「会えばいつも大阪をよくしたいという話でした。いろいろありすぎて…」と思い出とともに、涙があふれ出した。

 昨年まで、読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」で長年コンビを組んだ辛坊氏は、同局で会見し「8月ぐらいに何とか復帰…と聞いていたんですが」と絶句。11年の大阪府知事&市長選の前には、自宅に呼ばれ「大阪を何とかしてくれ」と出馬要請されていたという。出演した同局「朝生ワイド す・またん!」でコメントを求められると、40秒近く押し黙り、涙を流し「残念です」‐。

 盟友たちの涙が、たかじんさんの存在の大きさをあらためて浮き彫りにしていた。

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