愛菜ちゃん主演ドラマに「人権侵害だ」
親が育てられない子供を匿名で受け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を設置する熊本市の慈恵病院は16日、人気子役・芦田愛菜(9)が主演する日本テレビ系連続ドラマ「明日、ママがいない」について「養護施設の子供や職員への誤解偏見を与え、人権侵害だ」として、放送中止を申し入れると明らかにした。放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会への審議の申し入れも検討している。
ドラマでは「赤ちゃんポスト」に預けられた子供に「ポスト」というあだ名が付けられており、病院は「預けられた子供を傷つけ、精神的な虐待、人権侵害になる」と批判。養護施設の描写にも「職員が子供に暴言を吐き、泣くことを強要するなど現実と懸け離れたシーンが多すぎ、誤解や偏見、差別を与える」とした。放送中止要請とともに、経緯の説明を求める。
日本テレビでは「このドラマでは子供たちの心根の純粋さや強さ、たくましさを前面に表し、子供たちの視点から『愛情とは何か』ということを描く趣旨のもと、子供たちを愛する方々の思いも真摯(しんし)に描いていきたいと思っております」とコメント。予定通り放送を続けるといい、関係者は本紙に「全話を見ていただくとわかってもらえると思う。そういう受け止め方をされたのは残念」と話した。15日の第1回は視聴率14・1%(ビデオリサーチ調べ)だった。