森元首相、浅田真央らに言いたい放題

 2020年の東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相(76)は20日、福岡市での講演で、ソチ五輪で不調が続いているフィギュアスケート女子代表に放言を浴びせた。

 個人のショートプログラム(SP)で16位だった浅田真央(23)を「見事にひっくり返った。あの子、大事なときには必ず転ぶ」と評するなど言いたい放題。日本体育協会名誉会長でもあり、スポーツ界に一定の影響力を持つ森元首相の発言には「軽率だ」との批判も出そうだ。

 東京を離れての講演会で“舌の根”が緩んでしまったか。リップサービスの領域では収まらない、森元首相の大放言だった。

 金メダルを期待されながら、ショートプログラム(SP)で16位となった浅田には「頑張ってくれと見ていましたけど(浅田)真央ちゃん、見事にひっくり返りました。あの子、大事なときには必ず転ぶんですね」と酷評を浴びせた。鈴木も8位、村上も15位と個人でのメダル獲得の可能性が薄くなり、思わず本音が出てしまったようだ。

 浅田ばかりでない。ソチ五輪から導入された団体戦にも矛先は及んだ。「日本は団体戦に出なければよかった。アイスダンスは日本にできる人がいない」としたうえで、キャシー&クリスのリードきょうだいに触れ「アメリカに住んでいるんですよ。(米国代表として)オリンピックに出る実力がなかったから、帰化させて日本の選手団として出している」と暴露した。

 浅田の団体戦出場にも「負けると分かっている団体戦に、浅田さんを出して恥をかかせることはなかった。3回転半をできる女性はいないから、成功すれば3位になれるかもとの淡い気持ちで出した。それで、見事にひっくり返ってしまった」とチームの取った作戦を批判した。

 そのうえで、浅田には「その傷が残っていたとすれば、ものすごくかわいそうな話。転んだ心の傷が残っているから、自分の本番の時には、何としても転んではいけないとの気持ちが強く出たのだと思いますね。勢いが強すぎて転んでしまいました」と同情も示した。

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