宇津井さん逝去 追悼談話が続々
俳優の宇津井健さんが14日、午後6時5分、名古屋市内で慢性呼吸不全のため死去した。82歳。東京都出身。俳優座を経て新東宝に入社し、青春スターとして人気を得て、テレビドラマでは「ザ・ガードマン」で支持を集め、山口百恵さんがヒロインを務めた「赤い」シリーズでは父親役を好演。関係者によると、最近は肺気腫を患っていた。故人の意向により通夜、告別式は親族のみで執り行い、後日、お別れの会を開く予定。
親交があった多くの関係者らが逝去を悼んだ。
中田喜子(「渡る‐」で娘役)「本当にショックです。撮影時、『料理人の手は水を扱ったりするからふやけているんだ』と手をふやかすためにゴム手袋をしてらっしゃったことをおぼえています。いつもスマートで、スカっとされている印象でした。心からご冥福をお祈りいたします」
野村真美(「渡る‐」で娘役)「今は、ただただショックで言葉がありません。まだ信じられません。トレーニング話をしたり、お会いすると必ず声をかけてくださいました。人間的に尊敬できる素晴らしい方でした」
藤田朋子(「渡る‐で娘役)「信じられません。全然、信じられないです。言葉が見つかりません。話したいこといっぱいあったから。今度会ったら話そうと思っていたから。お父さん。会いたい。会いたい」
仲代達矢「俳優座養成所で3年間一緒に勉強した同級生で、60年間の付き合いだった。やはり同級生で親友だった佐藤慶や中谷一郎に続いて宇津井も亡くなり、私一人が取り残されたようだ。非常に残念。訃報を聞いてから『健坊、健坊』と心の中で叫んでいる。暗い役が多かった私とは対照的に、明るく健康的な青年像で売り出し、映画、次いでテレビで活躍した。本人も非常に明るいやつで、私よりずっと長生きすると思っていた」
渡辺謙(映画「沈まぬ太陽」で共演)「『沈まぬ太陽』の飛行機事故後のロケの時の事です。遺族の思いを全身で受け止め、4日間ほとんど眠れなかったとおっしゃっていました。誠実で優しい、尊敬する先輩でした。ご冥福をお祈り申し上げます。お疲れさまでした」
三浦友和「昨年の夏に撮影現場で共演者から体調がよくないと聞いていました。昔から体に気を付けているかただったので、一時的に体調を崩されているのだと思っていました。まさか亡くなられるなんて、ただただ驚いています」
水谷豊(「相棒‐劇場版2‐」などで共演)「昨年お会いしたのが最後になってしまいました。その時にとても強く抱き締めてくれました。言葉にできない寂しさに襲われます。宇津井さんのユーモアと包容力に、若い頃からずっと惹(ひ)かれていました。これからも尊敬し続けます」
仲間由紀恵(ドラマ「ごくせん」シリーズで共演)「私の舞台の公演に差し入れをいただいたり、別々の作品で同じスタジオにいた際には『孫の顔を見に来ました』とわざわざ会いに来てくださったり。笑顔ばかりが目に浮かびます。まだまだ教えていただきたいことがたくさんあったのに、とても残念です」
佐藤蛾次郎(宇津井さんが主演した72年のTBS系アクションドラマ「シークレット部隊」に出演)「昭和のベテラン俳優さんたちが次々に亡くなられて、非常につらい。残念です」
長澤まさみ(ドラマ「都市伝説の女」で共演)「現場ではいつもかっこ良く、たたずまいや周りのスタッフ、キャストにいつもお手本を見せてくれた方でした。突然の訃報を聞きとても残念な気持ちでいっぱいですが、宇津井さんのようなカッコイイ大人になれるよう日々研さんし仕事や自分の人生と向き合って行きたいと思います」
高嶋政宏(ドラマ「デパート!夏物語」などで共演)「突然の話で、ビックリしています。体に気をつけて、トレーニングしている方を知らなかったので、信じられません。今は、ただただ信じられません」