野々すみ花 宝塚の次は時代劇初挑戦
元宝塚歌劇団宙組の娘役トップで女優の野々すみ花(27)が、6月26日スタートのNHK時代劇「吉原裏同心」(木曜、後8・00/全12回)で、吉原遊郭の頂点に立つ花魁に扮し、時代劇ドラマに初挑戦することが30日、分かった。
同作は吉原遊郭の用心棒・神守幹次郎(小出恵介)が、遊郭に迫る悪を次々に成敗する物語。野々は遊女3000人の頂点に立つ薄墨太夫を演じる。
野々は宝塚時代の09年8月から、宙組トップスター・大空祐飛とコンビを組み、12年7月に退団後は舞台を中心に活動。刑事ドラマなどにゲスト出演経験はあるが、本格的なレギュラー出演も今回が初めて。
抜てきを受けた野々は、かねて時代劇への興味はあったというが「テレビの世界では正真正銘の新人なのに、あまりに早く大きなチャンスをいただいてしまったので、正直あせっています。期待を裏切りたくないです」と心境を語った。レンタルビデオ店でかたっぱしから時代劇のDVDを借り、勉強中だという。
役柄の薄墨太夫は遊郭の頂点にありながら、誇りとやさしさを併せ持つという設定。野々は「宝塚で主演娘役を務めた経験が、その肩書きではなく、言葉では言い表せない心の中身が、役にうまく繋がる部分があるのではないかと思います」。女性社会で活躍した経験も演技にいかし「その共通点を大事に演じていきたいです」と話した。
野々を起用した理由について佐野元彦プロデューサーは「一歩一歩、自力で積み上げ、頂点に着いた人にしかわからない『責任感』や『品格』を表現できる方に演じて頂きたかった」と説明する。
宝塚歌劇100周年の年。野々は「モットーの“清く正しく美しく”は揺るがないものです」と語り、その精神を新たな挑戦にぶつける。