海老蔵「市川宗家を受け継ぎます」
歌舞伎俳優の市川海老蔵(36)が26日、千葉県の成田山新勝寺で行われた父・市川團十郎さんの一周忌追悼法要に出席し、涙ながらに「市川宗家を受け継ぎます」と決意を新たにした。これまで、團十郎さんに連れられて来た海老蔵だが、この日は長女の麗禾(れいか)ちゃん(2)、長男の勧玄(かんげん)くん(1)を伴っての成田山入り。立場が息子から父となったことで、あらためて團十郎さんの存在の大きさを感じていた。
團十郎さんが生前から望んでいたという成田山での法要で、海老蔵が思わず涙を見せた。
「市川宗家を受け継ぎたいと思います。どこにも逃げずに、あなたと一緒に受け継いでいきます」
昨年2月に團十郎さんが亡くなって以降も、心のどこかに存在を感じながら舞台に上がっていたという海老蔵は、今後も父の魂とともに歌舞伎道に精進することを約束した。
市川家の屋号「成田屋」のルーツでもある成田山は、ことあるごとに團十郎さんに連れて来てもらった思い出深い場所。この日は、自らが初めて子供たちを連れてきた。今度は父親として来た形で「東京からここまで来る道で、本当に父がいなくなってしまったんだなというのを痛感しました」と時の流れを実感していた。
親族や関係者、後援会員ら480人が出席した大きな法要を済ませて、肩の荷がひとつ下りた。次は、勧玄くんを跡継ぎとして育てるという仕事が待っている。「35年間、父から注いでもらった愛情を勧玄に伝えていかないといけない。その都度、父が思っていたことを感じると思います」と父親としての思いを新たにしていた。
海老蔵は5月に歌舞伎座で「團菊祭五月大歌舞伎」に出演。生前の團十郎さんから最後に教わった「幡随長兵衛」の幡随院長兵衛役を演じるとあって、「いろんな意味で身が引き締まる思いです」と話し、姿勢を正した。