「渡鬼」4姉妹 宇津井健さんにお別れ
3月14日に慢性呼吸不全のため名古屋市内で死去した俳優、宇津井健さん(享年82)の「お別れの会」が1日、都内でしめやかに営まれ、俳優仲間ら約1000人が参列した。
TBS系ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」で娘役を務めた女優の長山藍子(72)、中田喜子(60)らファミリーが参列者に献花を配り、最後の“親孝行”。「赤い激流」などで共演した俳優・水谷豊(61)が弔辞を読んだ。
岡倉家の4姉妹が最後の親孝行だ。長女・弥生役の長山、三女・文子役の中田、四女・葉子役の野村真美(48)、五女・長子役の藤田朋子(49)はそろって来場し、最前列に着席。10年ほど前に撮影されたという、ほほえむ遺影と対面し、思わず涙をこぼした。
参列者による献花では、孫・日向子役の大谷玲凪(17)もまじえ、宇津井さんが好きだったという白バラを1本1本手渡した。
藤田は、昨年の「渡鬼」スペシャルで宇津井さんが酸素ボンベをつけた状態で収録に臨んだことについて「ボンベを持つのが恥ずかしいから、ビオラのケースに入れて背負って来ていた。私たちの思い出ではかっこいいまま」と、最後までダンディーだったことを証言。長山は「ひたむきに誠実に生きることをしていきたいという勇気をもらった」、中田は「いつも直立不動で『おはようございます』とあいさつしてくれた」と“父”に学んだことを明かした。
この日は宇津井さんが死去した日に入籍した女性(80)も親族席に。野村は「けじめをつける決断がお父さんらしい」と話した。
仕事で欠席した次女・五月役の泉ピン子(66)は、手紙で「ジジイのところに来る再婚相手は金目当て」と当初、再婚に反対していたことを明かし「再婚相手の方はお父さんに十分尽くし、私が危惧した財産目当てではないと聞きました」と、祝福するに至った心境を語っていた。