小藪座長怪気炎「東にも新喜劇の名を」
お笑いタレントの小藪千豊(40)がデイリースポーツの単独インタビューに応じ、6月5~8日に東京・六本木の俳優座劇場で行われる「吉本新喜劇 小藪座長東京公演」への思いを語った。吉本興業が所有していない劇場での東京公演は今回が初めて。念願の“対外試合”に「名古屋から東にも新喜劇の名をとどろかせたい」と意気込んでいる。
「ぼくにとっては今年一番のインポータント(重要)ビジネスです」。今や全国ネットのテレビ番組でも活躍するようになった小藪だが、自身を育ててくれた新喜劇への愛情は並々ならぬものがある。「今の新喜劇の問題点の1つは名古屋から東に名がとどろいていないこと」と考えており、そのためには東京公演の成功が必要不可欠だという。
これまで、東京では新宿のルミネ・ザ・よしもとなどホームで公演を行ってきたが、今回はあえて俳優座劇場というアウェーに挑む。「吉本ファンは来てくれてたんですが、そうじゃない人たちに見せて『面白い』と思わせたいんですよね」と新規の顧客獲得を狙っている。そのため、あえてベタなギャグは控えめにして、物語とせりふで笑わせる方向性にしている。
新喜劇を広めるという思いから、2011年に東京吉本へ“移籍”した。「子供が生まれたばっかりで、本音は嫌やったんですが、おれが行くしかないかと」と断腸の思いで決断した。
この決断は奏功し、タレントとしても成功したが、新喜劇を離れるつもりはまったくないという。「今、飯を食えているのは新喜劇を50年以上続けてきてくれた先輩方のおかげ。それをもっと大きくして後輩に渡すのが役目」ときっぱり。
現在も、テレビ出演の際には「竜爺(たつじい=井上竜夫)」や「末成由美」ら東京では知られていないベテランの名前を出すよう心掛けている。「日本の残り半分に新喜劇を知らしめる」広報活動は続いている。