大鶴義丹、父・唐十郎の舞台に初出演
俳優の大鶴義丹(46)が、俳優で劇作家の父・唐十郎(74)の舞台に初出演することが19日、分かった。唐が1985年に脚本を手掛け、主演も務めた舞台「ジャガーの眼」の再演で主役を演じる。29年前と同じく東京・新宿の花園神社特設テントで、6月14日から同22日まで上演される。この舞台で、異母妹にあたる女優・大鶴美仁音(みにおん=22)と兄妹初共演する義丹は、“唐イズム”の継承を誓った。
日本を代表する劇作家の父が主戦場とするアングラ舞台に、息子・義丹が初めて足を踏み入れる。
義丹は唐が脚本を手掛けたドラマ「安寿子の靴」で、84年に俳優デビュー。映像作品では何度か親子タッグを組んできたが、唐演劇へは初出演となる。
父の「マスメディアの世界に行け」という“教育方針”に従い、映像の仕事に軸足を置いてデビュー30周年を迎えた。劇団「新宿梁山泊」代表で、演出を担当する俳優・金守珍(59)からの誘いで出演を決めたといい、義丹は「いつかはやらなきゃいけないと思ってました。父の戯曲を次の世代につなぐのに、いいタイミング」と父の後継に意欲を見せた。初演で父が演じた探偵田口役。唐に報告したときには、「そうか、戻ってきたのか」と短い言葉を掛けられたという。
12年5月に脳挫傷と外傷性脳内血腫を患った唐は、現在、仕事をしながらリハビリする日々。唐と同居している美仁音は、「顔ツヤはいいですよ。今月9日に唐組舞台のカーテンコールに出て、小走りしてましたし」と順調な回復を報告した。
妹とともに今月上旬から舞台けいこに参加している義丹は、「けいこ場に父は来たがってますが、そこまでの負荷はいらないので断ってます」と苦笑い。「本番で見てもらうのが楽しみ。『お前で構築していけ』ということで、何も言わないと思いますけど」と、大きな背中を追う喜びをかみしめていた。