清志郎の魂伝承 女房役・三宅伸治

 2009年に死去した忌野清志郎さんの女房役として、長年にわたってさまざまな形で共演、共作を続けてきたロックミュージシャン、三宅伸治(53)が「三宅伸治BAND」としての初のアルバム「SLAVE」を6月にリリースし、このほどデイリースポーツの取材に応じた。SLAVE(奴隷)という過激なタイトルには、清志郎さんから受け継いだ、自由な表現を求める魂が込められていた。      

 三宅はタイトルを「皆、個人的に抱えている自由にならないこととか、政治家たちのやりたい放題とか、そういうことを含めて、もっと自由を楽しめたらいいなということですかね」と解説した。

 2曲目「がんばれ日本」では原発、9曲目「秘密」では特定秘密保護法案を痛烈に批判する。「僕はこういう歌が当たり前だと思う。そこから何一つ良くなっていないという現状も含めて残しておかなきゃならない。3・11の後、もっと若い人がどんどん歌うだろうなと思ったんですよね、原発のことにしても、今の安倍さんの戦争に向かっていることとかも、歌うだろうなと思ったけど、なんか違うぞと思った」。

 この姿勢は、原発批判や放送局批判など、タブーを設けず自由な表現を追求した清志郎さんにも通じる。

 「清志郎さんと一緒にやらせてもらったことで瞬発力、歌っていうのはこういうことを書かないといけないんだってことがすごく身についてますね。日本が悪い方向にどんどん向かっていることを皆が気づいていると思う。そこをどうにも止められないっていうことがあるじゃないですか。せめて歌くらいはそのことを歌って当たり前じゃないか、という気持ちはあります」

 アルバムのジャケットは、清志郎さんと親交が深かったイラストレーターのアサミカヨコ氏が手がけた。

 「清志郎さんとずっとやらせてもらえたのは非常に光栄ですし、一生涯自慢できることだと思います。アサミさんとか、清志郎さんと身内みたいな人が手伝ってくれるのはうれしいですね」

 現在はソロとバンドを並行させて、ツアーの真っ最中だ。「年間160本くらい」というライブで、日本中にロックを届ける。

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