歌舞伎俳優の故中村勘三郎さんが始めた「平成中村座」のニューヨーク公演が7日、リンカーンセンターのローズシアターで開かれ、約千人が入る劇場を埋めた観客が「カブキ」を堪能した。NY公演は3回目で、勘三郎さんがいない舞台は初めて。観客席入り口のホールには、劇場側の配慮で勘三郎さんの小さな写真が掲げられた。公演前、長男の勘九郎(32)は「ニューヨークの人に楽しんでもらいたい。父にささげるつもりでやる」と意気込んだ。演目は勘三郎さんが得意とした「怪談乳房榎」。勘九郎の一人三役と大量の水を使った滝のシーンが見どころで、中村獅童(41)の悪役ぶりも光った。公演は12日まで。