貫地谷しほり“リアル・マヤ”になる
1975年から現在まで連載されている名作少女漫画を舞台化した「ガラスの仮面」(15~31日、東京・青山劇場)で主人公・北島マヤを演じる女優の貫地谷しほり(28)が、このほどデイリースポーツのインタビューに応じ、心境を明かした。幅広い世代に愛されている役を演じることを「すごく光栄です」と喜ぶ一方で、演技の天才という設定のマヤを演じるプレッシャーをはねのける苦労があったという。
日本女性の“通過儀礼”とすらいえる名作が「ガラスの仮面」だ。マヤ役のオファーがあった時は、あまりのプレッシャーに「やりたくない」と、一度は断ったという。「読者の方それぞれの『ガラスの仮面』があるのでハードルも高くなってるだろうし、その“好きな世界”を壊してしまうのではって思ったんです」と、尻込みしていたが、結局はハードル以上のやりがいを感じて出演を決意した。
5月14日の製作発表会見で、原作者の美内すずえ氏(63)から「思った通りにやっていい」と背中を押され、気持ちが軽くなった。現在は「演劇ってこんなに楽しい、こんなに別世界に連れて行かれるものなんだって思ってもらいたい」と、初日を心待ちにしている。
物語はマヤとライバルの姫川亜弓(マイコ)が対決する舞台「ふたりの王女」が中心となる。他にも劇中劇のシーンが多く「ザ・演劇みたいな感じですごく楽しんでます」と、演じる喜びを感じている。ただ、マヤがブツブツと言いながら白目になる“スイッチが入る”場面には苦労しているようで「本当に白目になろうかって話したりしてるんです」と試行錯誤中だ。
マヤとの共通点は素直なところだといい「台本をそのままにとらえてしまうんですよね。単純というか思慮が浅いというか」と苦笑い。演出家や監督に解釈を尋ねることもあるが「訳わかんない時は、そのまま行ってみて、後でふに落ちればいいかと。“こんな行動しないだろう”って思っても、そこにもっていくのが役者の仕事でもありますし」と、直感を信じている。