歌手・北島三郎（７７）が２３日、東京・明治座で行った「北島三郎最終公演」の夜の部で、座長公演通算４５００回を達成した。

　フィナーレ曲「まつり」を歌い終えた北島に、弟子の歌手・北山たけし（４０）が音頭を取って会場の１２００人と祝福した。１９６８年９月の新宿コマ劇場の初演から４６年かけて積み重ねてきた前人未到の偉業。「丈夫に産んでくれた両親、旅立った弟に見守られ、たくさんのお客さん、スタッフ全員の支えられ、北島は幸せです」と、涙で声を震わせていた。

　大記録を陰で支えたのが今年７月に死去した弟の大野拓克氏だった。最終公演の準備を病床から指揮したが、兄の晴れ舞台を見ぬまま帰らぬ人となった。北島は楽屋に両親、拓克氏の遺影を飾り「見守ってくれ」と言って出番に向かった。この日は達成した喜びとともに一緒に歩んできた弟の姿が浮かび、思わず涙があふれた。

　昨年限りで紅白歌合戦を卒業。座長公演も１１月の大阪・新歌舞伎座、来年１月の福岡・博多座を最後に卒業する。最終的には通算４５７８回となり、関係者は全公演終了後にギネスへ申請する計画を進めている。

　それでも、サブちゃんは「劇場公演を終えても、まだまだ現役で歌うよ」と、通過点であることをアピールした。