X JAPAN MSGライブ

 5人組ロックバンド・X JAPANが11日(日本時間12日)、米・ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で初のコンサートを行った。MSGは2008年に公演を予定するも、中止となった念願の場所。リーダーのYOSHIKI(年齢非公表)は亡くなったメンバー2人の魂を胸に初めて立った“音楽の聖地”で、ファン1万5000人を熱狂させ、「We’ll be back(また戻ってくる)」と誓った。

 悲願を“7人”で達成した。「Today,We are playing with TAIJI and HIDE in my heart(今日はTAIJIとHIDEも心の中で一緒に演奏してるから)」。すべてのトークを英語でこなしたYOSHIKIは、今は亡き仲間を思い浮かべ、涙をこぼした。

 ザ・ローリング・ストーンズやマイケル・ジャクソンといった、世界のスターが歌声を響かせてきたMSG。YOSHIKIにとっては、ロックに目覚めるきっかけとなった米バンド・キッスの復活公演を1996年に鑑賞して以降、目指してきた場所だった。

 解散と再結成を経て、08年に同所での初公演が決まったが、自身の頸椎(けいつい)椎間板ヘルニア悪化のために中止。しかし、あこがれ続けてきたステージを、幻のままで終わらせるわけにはいかなかった。

 客席を埋めた1万5000人のうち、9割が現地のファン。ボーカルのToshl(48)は「NEW YORK,What’s up!?(調子はどうだ)」とあおって、「FOREVER LOVE」などのヒット曲をたたみかけた。米国歌をYOSHIKIがピアノ演奏すると、ニューヨーカーによる大合唱が会場を包み込んだ。

 また戻ってくるから‐。誓いの言葉で3時間のパフォーマンスを締めくくったYOSHIKIは、終演後に次なる目標を掲げた。「これがゴールじゃないですから。素晴らしい一歩を世界の皆さんのおかげで踏み出せた。東京ドームでは(公演を)18回やったので、MSGでも10回くらいやりたいですね」。通過点と強調した夢舞台だが、日本のロック界に新たな歴史を刻み込んだことは確かだ。

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