栩内被告、窮地に…ASKA証人も却下
CHAGE and ASKAのASKA(56)と交際し、覚せい剤取締法違反(所持・使用)の罪に問われた栩内香澄美被告(37)の第4回公判が21日、東京地裁で開かれた。弁護側の被告人質問で栩内被告は、ASKAが自身に薬物を使用したことをにおわすメールのやり取りについて「カマをかけた」と発言するなどして、裁判長から矛盾を指摘された。弁護側はASKAへの証人尋問を請求したが、却下される苦しい展開となった。
9日に保釈されてから初めての法廷に、栩内被告はグッと女子力を高めて登場した。前回までのすっぴんに地味なパンツ姿から一転、くっきり眉毛にスリットの入った黒のスカート。足元はハイヒールで決めた。だが、その主張は一貫せず、矛盾に満ちていた。
弁護側の被告人質問では、5、6年前にASKAが吸引パイプで白い粉状のものをあぶっていたのを目撃したことなどから、エアコンから覚せい剤の陽性反応が出たのは“ASKAのせい”と強調。自身に薬物を使用されたことを示唆するメールのやり取りも「実際にされた訳じゃないけど、(ASKAに)カマをかけた」と主張。第3回毛髪鑑定を要求し「保釈されてすぐ美容室に行きたかったけど、我慢している」と訴えた。
はつらつとしていた受け答えは、検察側の反対尋問になると一転して空回り。目撃した白い粉をASKAが「ハーブ」と説明したことに「白い粉をハーブと思う?」「なぜその話を最近になってしたの?」と追及され、しどろもどろになった。
揚げ句に、ASKAが寝ている間に自身の体内に薬物を混入させた可能性を問われ、「そういうことをする人とは思わない」と、これまでの主張を覆すような供述まで。これには鈴木巧裁判長も「カマをかけるなら、宮崎さん(ASKA)にも心当たりがないとしないよね?」とあきれ気味に矛盾を指摘した。
弁護側は、やり取りしたメールの真意を裏付けるためにASKAの証人尋問を請求したが、裁判長が「何を明らかにしたいの?却下します」とバッサリ。これまで、尿や毛髪鑑定のミスを根拠に無罪を主張し、検察側が第1回公判でASKAの証人申請を示唆した際には難色を示していた弁護側の“翻意”に不快感をあらわにした。
次回公判は11月25日。年内にも結審が予想されるが、栩内被告が窮地に追い込まれた。