唐沢「日本のシンドラー」大和魂で熱演
俳優の唐沢寿明(51)が、第2次世界大戦中に6000人のユダヤ人の命を救った外交官・杉原千畝を描いた映画「杉原千畝 スギハラチウネ」(来年秋公開)に主演することが分かった。全編ポーランドロケの作品で、妻の幸子(ゆきこ)役の小雪(37)とともに、このほど現地で取材に応じた唐沢は「あらゆる世代の人に見てもらいたい」と大作へ意気込んだ。
杉原は、リトアニアの日本領事代理として、ナチスの弾圧から逃れようとするユダヤ人に日本の外務省の了承もないまま出国ビザを与えた“日本のシンドラー”。映画が公開される2015年は終戦から70周年という節目の年とあって、唐沢は「あらゆる世代の人に見てもらって、戦争、人種差別がどういうことかというのを分かってもらいたい。作品が、痛みを分かるきっかけになるならいいよね」と力強く語った。
かつて主演ドラマ「白い巨塔」(03~04年放送)の収録で、ポーランドのアウシュビッツ強制収容所を訪れた経験もあるだけに、戦争やホロコーストに対する思いは強い。「あの状況でよくビザが出せたと思いますね」と杉原を称賛。当時、置かれていた詳しい状況は「想像するしかない」と演じる難しさを実感する一方で、「日本人でよかった、日本人って悪くないという自信を持って臨んでます」と誇らしさも感じている。
チェリン・グラック監督(56)には、映画「サイドウェイズ」(2009年)を見てほれ込み、自ら出演を売り込んだ。一緒に仕事ができて喜ぶ一方、独特の撮影手法に「夢はかなったけど、こんなにきついとは…」とボヤく一幕も。
妻役の小雪とは2000年にドラマで共演して以来、プライベートでも親交がある。現場は外国人だらけとあって「裏表のない人なのでやりやすいですよ」と気心の知れた仲間がいることを喜んだ。13年1月に第2子となる長女を出産し、今作が映画復帰の小雪も「唐沢さんと一緒で、とても安心です」と笑顔だった。