徳永英明、自身初の“小室カバー”挑戦
シンガー・ソングライターの徳永英明(53)が、累計売り上げ600万枚を突破した人気カバーアルバムシリーズ最新作「VOCALIST6」(来年1月21日発売)で、初めて小室哲哉作詞作曲の楽曲に挑戦することが4日、分かった。TRFの「寒い夜だから…」をジャズバラードにリニューアル。本紙の取材に「食わず嫌いで歌えないと思っていたが、いいものになった」と仕上がりに自信を見せた。
バラードの帝王がダンスミュージックの天才を歌う-。異色コラボが実現した。
松任谷由実、中島みゆき、松田聖子…各時代を彩った女性アーティストの楽曲を徳永の癒やしの歌声でよみがえらせてきた「VOCALIST」シリーズ。これまでダンスミュージックを手がけることはなかったが、第6弾で小室サウンドに挑んだ。
「寒い-」は、TRF(当時はtrf)が93年に発売。初のオリコントップ10入りを果たし、翌年からのミリオンヒット連発の予兆となった曲で、ダンサブルなリズムに切ないメロディーが絡む名曲だ。
「好きだけど、歌うのは無理かな、という“食わず嫌いな曲”を選んだ。ジャズ風のアレンジにして歌ってみたら、メロディーもさることながら、女心がキュンとする詞が素晴らしいことに気づいた」
同曲のレコーディングスタジオが小室と隣になる“吉兆”もあった。
「“ご無沙汰です”と、握手する手に力が入った。偶然だけど必然に感じた。『これはイケるぞ』と験担ぎになったと同時に、絶対に妥協はできないぞ、と思って、とことん作り込んだ」
05年の第1弾が126万枚のミリオンヒットとなったのを皮切りに、累計600万枚を突破した同シリーズは、今年で10周年。「最初はヒットの実感もなかったが、次第に期待の重みや責任感、選曲の苦しみを、オリジナル作品と同じように感じるようになってきた」と振り返る。
「次の作品のことはまだ考えない。でも『また聴きたい』という声はうれしいし、応えたい。しぼむ寸前までやりたい」と決意を新たにしていた。