ミスターも仙さんも…希代の名優悼む
10日に83歳でこの世を去った名優高倉健さんの訃報は18日、日本中に衝撃と悲しみをもたらした。球界からは親交の深かった巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(78)、楽天・星野仙一シニアアドバイザー(67)から追悼のコメントが寄せられ、政界などからも「日本映画界の大きな星を失った」と惜しむ声が上がった。
巨人・長嶋終身名誉監督は球団を通じてコメントを発表した。「突然の訃報に驚くと同時に、とても寂しい気持ちにとらわれています」。深い悲しみに包まれ、大きなショックを受けたことも隠さなかった。
希代のスーパースター同士、通じ合うものがあった。20代の頃に知り合い「試合前に2人でよくお茶を飲んだり食事をしたりしました」。高倉さんが、長男・一茂氏(48)の結婚式に出席してくれるほど家族ぐるみの付き合いだった。「どれも素晴らしい思い出です」と懐かしんだ。
「ファンの多くは映画の中の高倉さんを見て、日本人の男としてのあるべき姿を学んだのではないでしょうか」。“不器用な男”を尊敬していたのだろう。自身も「私も高倉さんから教わることが数多くありました。本当に残念です。心からご冥福をお祈り申し上げます」と語った。
楽天・星野シニアアドバイザーは高倉さんが同SAの古巣・中日の監督を演じた「ミスター・ベースボール」を感慨深げに振り返った。高倉さんは明大の先輩にもあたるが「撮影の際にあいさつに来られて、ユニホームの着こなしなどのアドバイスを聞きにいらっしゃいました。どちらが先輩かわからないくらい恐縮されていたのを覚えています」と懐かしんだ。
さらには「私の女房が亡くなったときもいろいろとしてくれて、毎年、命日にはお線香を送ってくれました。ご冥福をお祈りします」と語った。