浅香航大「唯一無二の俳優」目指す!
俳優・浅香航大(22)が、高視聴率を獲得しているNHK連続テレビ小説「マッサン」(月~土曜 前8・00)に12月8日の第11週から登場する。2012年公開で、映画賞を総なめにした「桐島、部活やめるってよ」などで独特な存在感を発揮し、今、最も注目される若手実力派。初めての朝ドラでは、個性的な共演者から多くの刺激を受けた。目指すのは世界、そして「唯一無二」の俳優だ。
浅香が演じるのは鴨居欣次郎(堤真一)の長男・英一郎。父との確執からマッサン(玉山鉄二)とエリー(シャーロット・ケイト・フォックス)夫妻に預けられ、ともに暮らすうちに、心を開き変わっていく役どころだ。
「難しかったですね。ドラマは“愛と夢”がテーマですが、英一郎にも“愛と夢”を込めたかった」
青年の複雑でナイーブな気持ちの表現。役作りは自分を見つめることだった。
「仕事、大丈夫か?」と心配してくれる父。「心配させたくない」という思いから反発した10代の自分が、英一郎に重なった。「今はそれがうれしいと思えるようになったけれど、英一郎のような気持ちは、思春期に誰もが経験する思いだと思った」
念願の朝ドラ初出演。「やれるだけのことはやろう、という気持ちで臨んだ」。過酷なスケジュールの撮影を楽しめたのは“マッサンファミリー”の絆のおかげだった。「初日に堤さんに食事に連れて行ってもらったり…共演者、スタッフ、皆さんすごく良くしてくれた」と感謝した。
マッサンとエリーの姿に「愛っていいなーって思った」と浅香。「結婚したいです。30くらいまでには…。先輩の伊藤英明さんとか、友人とか、最近、周囲で結婚する人が多いんですよ。自分はまだないですけど、仕事をちゃんとして、成熟したらしたい。自分を磨いてマッサンのような男になれたらいいなと思います」と笑った。
転機は「桐島-」だった。「初めての映画で、芝居に対する世界観が変わった。新しい世界を見た。たくさん刺激をもらって、考えた」
神木隆之介、東出昌大、橋本愛、落合モトキ…同年代の俳優たちとの共演が、世界を変えた。今でも時々、皆と集まる。互いの活躍を目にし、ライバル心も沸くというが、根底にあるのは“切磋琢磨する大切な仲間”という思いだ。
「一時期でっくん(東出)がすごく忙しくて、なかなか会えないことがあった。今、『マッサン』をやってその状況がわかる。朝ドラってこんなに過酷な撮影だったんだって。特に彼はヒロインの相手役という大役と責任があったし。キツい現場で頑張ってたんだなって」
浅香が目指すのは「自分らしく、自由なスタイルで、野性的な…唯一無二の俳優」。そのために今は「何でもやる。貪欲です」。見据えているのは国内だけではない。「シャーロットさんは、日本語を知らない状態で日本に来て頑張ってる。日本の俳優と違うアプローチや表現の仕方にも刺激をもらった。僕も、世界を夢見てます」とキッパリ。「中学生の時から『努力は報われる』って言葉が好きなんです」。夢とガッツがあふれる瞳は、前だけを見つめていた。