松方弘樹「男気にほれていた」無念の涙

 高倉健さんに続く、昭和を代表する映画スターの訃報に、芸能界はまたも悲しみに暮れた。菅原文太さんが亡くなったことを受け、1日、映画「仁義なき戦い」などで共演した松方弘樹(72)や映画「トラック野郎」シリーズで共演した愛川欽也(80)らがその死を惜しんだ。

 敬愛する先輩を相次いで亡くした松方は、「嫌だね、元気でいなきゃ…」と涙をぬぐった。「昭和残侠伝」シリーズでは高倉健さん、「仁義なき戦い」シリーズでは菅原さんと共演した。「健さんは憧れが入っている先輩。文太さんは手が届きそうなんだけど、前を走っていく、僕の原動力でした」と振り返る。

 健さんは“座らない伝説”を持つなど、現場でストイックな姿を見せる“スター”。一方、菅原さんは「現場をピリっとさせるタイプではなかった。午前中はお酒が残っていたり、怖いって感じではない。男気にほれていました」と、よき“兄貴分”だった。

 お酒が好きで、よく一緒に飲みに行ったという。酒の場で演技の話は一切しなかった。「飲みはじめは『木枯し紋次郎』みたいに静かなんだけど、杯を重ねると『まむしの兄弟』みたいに崩れていく。そしたら女性がいなくなって『なんでオレはモテないんだ』って言ってました。紋次郎のままならモテるのに」と、菅原さんの主演作に例えて懐かしそうに話した。

 3年前に電話したのが、最後になったという。「(菅原さんが)『元気してるぞ』って。『仕事やってくださいよ』と言ったら、『もういいよ』と言われた。ギラギラしているときを知っているから、白髪になった好々爺(や)の文太さん(の演技)が見たかった」。虫の知らせか、先月26日に、愛川欽也と番組で一緒になった際に菅原さんについて話していたという。その矢先の訃報だった。

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