竹中直人 ぼくの好きな清志郎さん
俳優の竹中直人(58)が9日、都内で行われた映画「忌野清志郎 ロックン・ロール・ショーThe FILM~#1 入門編~」(10日公開)の公開前夜祭にゲストで登場し、2009年にがん性リンパ管症で死去した清志郎さんの思い出を語った。竹中は清志郎さんが電話魔だったことを明かし、1970年代末、ギンギンのロックバンドに変身したRCサクセションにショックを受けていたことも告白した。
竹中の口から出てくるのは、清志郎さんの電話魔ぶりだった。
映画監督としても活躍する竹中が映画を製作する度に「竹中、俺の出番はないか?って聞いてくるんですよ」。清志郎さんは竹中作品の「119」で音楽を担当、「サヨナラCOLOR」に出演している。竹中は「『もしもし、忌野清志郎です』っていう声が忘れられません。僕の中に残ってます」と、懐かしそうに振り返った。
清志郎さん公認のそっくりさんで、歌手のワタナベイビー(46)も「清志郎さんは夜中に留守電するのが好きでしたね。『ワタナベ、いるのは分かっているんだ。居留守を使うな』って、テープがなくなるまで話してるんですよ」と、電話魔ぶりを証言した。
竹中は清志郎さんを「優しくて、そばにいるとホッとする人」と表現した。その優しさを実感したのが、忘れられない二つの出来事だ。竹中は「清志郎さんの30周年で、武道館でライブをやったんです。自分のために清志郎さんが作詞作曲した曲を歌わせてくれたんですよ」と回想。さらに、「僕の50歳の誕生日に、清志郎さんが発起人となって渋谷のライブハウスで誕生パーティーをやってくれました」と、うれしそうに思い出を語った。
映画は清志郎さんのフィルム・アーカイブ・シリーズ第1弾で、RCやソロなどさまざまな時代のライブ映像で編集。中3の時に清志郎さんを知ったという竹中は「RCサクセションは3人だけの時が好きだったな。ギンギンになった時にはがく然としてしまった」と率直に告白。そのうえで「よくこれだけの編集したな、と思いますよ。2時間6分、最高に愛のある映画。できれば最初からスタンディングで見てほしいな」と訴えていた。