シーナさんのロック葬 家族全員で演出

 今月14日に子宮頸がんのため61歳で死去した、ロックバンド「シーナ&ロケッツ」のボーカル、シーナ(本名・鮎川悦子)さんの通夜・葬儀が18日、東京・森巌寺開山堂で営まれた。

 夫でギタリストの鮎川誠(66)が、ライブでシーナさんを呼び込む「オッケー!カモン!」という掛け声で焼香が始まり、式中はライブ音源が流れる“ロック葬”に。内田裕也(75)、海援隊、石橋凌(58)ら友人やファン、約2000人が参列した。

 “ロックママ”シーナさんを天国に送る“ラストステージ”を、家族全員で演出した。

 ロックステージをイメージした祭壇をプロデュースしたのはまな娘3人。「最高にキュートだった。ご飯を作るのも、掃除をするのもロックだった」という母のため、テーマは「ロック」にした。

 昨年5月に撮影されたという遺影のシーナさんは、今にも歌い出しそうな表情。横にはマイクスタンドと、革ジャンにミニスカートの衣装。鮎川のギターも置かれ、シーナさんの好きな赤いバラをちりばめた。

 開式のあいさつは、サングラスをかけた鮎川。「一人でも多くの方、シーナに声をかけてください。俺たちはこれからもシーナと一緒にぶっとばして行きます!」。途中、こみ上げるものをこらえながらも、ライブのオープニングのように力強く宣言し「OK!カモン!クイーン・オブ・ロックンロールハーツ!シーナ!ありがとう!バーイ!」。遺影のシーナさんを呼び込むポーズを決めると、シーナさんの歌声が会場に鳴り響いた。

 当初は密葬の予定が、「参列したい」という声がツイッターや公式サイトに寄せられ、一般ファンにも開放。地元・下北沢を中心に活動するロックンローラーが集まった。僧侶の読経や弔辞はなく、鮎川一家が笑顔で迎えるだけの自由な雰囲気に満ちた葬儀だった。

 2000人の参列者を見送った鮎川は「シーナがいなくなるのは悲しいけど“しっかりせんね”と言われているよう。これからもシーナから学んだ最高のロックを歌うよ」と遺影に約束した。

 19日は同所で家族葬を行う。“シーナの日”4月7日には追悼ライブを行う予定だ。

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