うつみ宮土理「キンキンの声聞こえる」
4月15日に肺がんのため死去した俳優の愛川欽也さん(享年80)を偲ぶ会が4日、都内で行われ、約700人が参列した。タレントのうつみ宮土理(71)は、悲しみをこらえ気丈にあいさつ。
また、昭和9年会のメンバーで人気深夜番組「11PM」の司会を共に務めたタレントの大橋巨泉(81)が弔辞を読み上げた。6、7日には愛川さんが情熱を注いだ「中目黒キンケロシアター」で「愛川欽也の思い出展示会」が開かれ、一般向けの献花台も設置される。
最愛の夫が天国に旅立ってから50日。悲しみの癒えないうつみは、“キンキンの声”に支えられ気丈にあいさつをつとめあげた。
誰からも愛された愛川さんの人柄を表すように会場には各方面の著名人約700人が参列。愛用のディレクターズチェアとハットが飾られ、大好きだったひまわりなど約5300本の花で彩られた祭壇には、優しくほほ笑む、60歳代の愛川さんの遺影があった。
うつみは「私の悲しみは癒やされそうもありません」と切々と語り始めた。「キンキンの声が聞こえる。『笑うんだよ。メソメソするのはカミさんらしくないよ』。そう言って、キンキンは私のことを励まし続けてくれている」。夫を思い、何度も声を詰まらせながら流れる涙を拭った。
長年親交があった巨泉は「きょう初めて君の遺影の前で言います。キンキンのファンだった」と盟友への思いを打ち明けた。1970年に始まった愛川さん司会のラジオ番組を聴き入り「君のテンポのよいしゃべりにみせられた」。役者、司会など多方面で活躍した愛川さんの声を思い起こした。
巨泉自身は5月18日に右の肺がんの摘出手術を受けるなど4度がんを摘出したが愛川さんの分まで強く生きる決意を表明。反戦、反原発を訴える硬派な一面も持ち合わせていた愛川さんと政治番組での共演の約束を果たせなかったことを悔やみながらも、「君の分まで戦ってみたい。だから安心して安らかに眠ってください」と志を継ぐことを誓った。
うつみが「キンキンは明るくて楽しいことが大好きなので、みなさまキンキンを明るく見送ってやってください」と呼びかけた、その言葉通り、献花のひまわりを手にした参列者は、愛川さんとの思い出話に花を咲かせていた。