デビッド・マシューズは「生涯音楽家」
アルバム「枯葉」がジャズでは異例の20万枚超を売り上げるなど日本で人気のマンハッタン・ジャズ・クインテット(MJQ)。リーダーのデビッド・マシューズ(73)は今年でプロ生活50周年になる。昨年30周年だったMJQのニューアルバム「スティル・クレイジー」を50周年記念作品として5月末にリリースしたマシューズが、デイリースポーツに50周年や日本との関係を語った。
マシューズはジェームズ・ブラウンの編曲家、バンドリーダーを5年間務め、編曲家としてフランク・シナトラ、ビリー・ジョエル、ポール・サイモンの名盤を手がけるなど超大物との仕事でも名高い。50周年の大きな節目にも「あくまで通過点。次の50年をやってもいい。私は生涯音楽家」と意気軒高だ。
息長く活躍する秘けつを「常に新しい、幸福な、聴いて良かったと思うものを作り出すこと」と明かす。「全く新しいアレンジをやろう、鳴ったことのない色を曲に与えようというスタンス。自分で何回も聴きたいアレンジを念頭に置いている」といい、新作でもそれは変わらない。
MJQが特に日本で愛される理由については「日本人はとてもメロディーを愛する国民。私はメロディーに力のある曲を選ぶ傾向があり、その関係性がリスナーに響いたのでしょう」と解説する。
NHK「英語でしゃべらナイト」に準レギュラー出演するなど日本と縁が深いだけに「筆を止めたら破れてしまう和紙があるといいます。ジャズも演奏中は自由、止めたらおしまいという点で通じるものがある」「ジャズも相撲も若い頃からその道に入り、ひたすら練習して技を磨き、勝負の時は一瞬で終わる。潔さは重なると感じます」と、日本文化も引き合いに出した。
MJQの30周年ツアーは11日の東京・ルネこだいらから。マシューズは「これまでの人もこれからの人も間違いなく楽しんでもらえる」と約束した。