清武氏原作で江口2年ぶり連ドラ主演
俳優の江口洋介(47)が、WOWOWの「連続ドラマW しんがり~山一證券 最後の聖戦~」(9月20日スタート、日曜、後10・00、全6話)で2年ぶりに連ドラに主演することが13日、分かった。原作は元巨人軍球団代表でジャーナリスト・清武英利氏(64)のノンフィクション。自主廃業した山一証券の社員で、破綻に至った真相の究明と顧客への精算業務を続けた12人の社内調査委員会のボスを演じ、骨太な社会派ドラマに挑む。
「しんがり」とは、負け戦の際に最後列で敵を迎え撃つ兵のこと。山一証券の“場末”とさげすまれる窓際部署で社内監査を行う業務監理本部、通称ギョウカンの面々が、1997年の破綻後に「なぜ2600億円もの不正な債務が生まれたのか」の真相解明に挑む姿を描く。
江口が演じるのは、けんかっ早い性格から“組長”と呼ばれ、ほぼ無給のまま社内調査の陣頭指揮を執ったギョウカンの本部長。極限状況下で「会社の不正に物わかりのいい人間になってたまるか!!」とリーダーシップを発揮する、異色のサラリーマンだ。
清武氏は「ドラマに向いていないと思っていた。彼らは半沢直樹のようなスーパーマンではなく、普通のサラリーマンでありOLだから」と本音を明かす。その言葉を受け、江口は「ドラマ向きではないものを、人々の心に響く作品になるようにどうすれば良いのか、スタッフと話しながら一歩ずつ制作しています」と、試行錯誤しているという。
連ドラ主演は2013年のフジテレビ系「dinner」以来で、WOWOWドラマ主演は11年の「パンドラ3 革命前夜」以来。映画「沈まぬ太陽」でも企業人を描いた若松節朗監督(66)は「このドラマは江口洋介なくして語れない、そのくらい彼に演じていただけて光栄です」と、熱演に敬服している。