女優・川島なお美さん“最終公演”に幕
9月24日に胆管がんのため急逝した女優・川島なお美さん(享年54)の葬儀・告別式が2日、東京・青山葬儀所でしめやかに営まれた。女優・倍賞千恵子(74)、SMAP・草なぎ剛(41)ら仕事仲間やファン1500人が参列し、倍賞と作家・林真理子氏(61)が弔辞を読み上げた。出棺時には、夫でパティシエの鎧塚俊彦氏(49)が参列者に拍手での見送りを依頼。6分15秒もの鳴りやまぬ拍手の中、川島さんは旅立った。
命を賭して女優を貫いた川島さんが迎えた、人生の“最終公演”。公私にわたって相談相手だった倍賞は、祭壇に向かうと、まずは「ハァ~」と大きく息を吐き出してから、震えた声で弔辞をささげた。
「最後に電話で話したとき、私、本当に何も知らなかったの。ごめんなさいね。苦しそうにせきをしているあなたに、『そんなに頑張らなくていいんだよ』と言ったら、『千恵さん、だって私、女優だもの』って。いつも何でも一生懸命やっていたあなたを、私は大好きだったよ。尊敬と感謝と限りない愛を込めて、ありがとうございました」
続いて、海外滞在中のため参列できなかった片岡鶴太郎(60)の弔電を、司会の徳光和夫(74)が紹介。息を引き取る20分前に対面したときの様子を振り返った、「なお美ちゃんは最期まで髪の芯、爪の先まで女だったね」という述懐に、通夜から涙をこらえ続けていた喪主の鎧塚氏は涙腺が崩壊し号泣した。
出棺時には、愛犬のココナツも“家族”との別れを惜しむかのように、位牌に顔をすり寄せた。鎧塚氏は悲しみで顔をゆがめながら、「女房は拍手をいただけることが何よりの喜びで、生きがいとしていたと言っても過言ではありません。割れんばかりの拍手で、なお美を送ってやってください」と参列者にリクエスト。
川島さんが歌う「偶然の後で」(2009年発売のシングルCDに収録)が流れる中、葬送の拍手は6分15秒間鳴りやまなかった。カーテンコールに包まれながら、前夜の涙雨から一転、秋晴れとなった空へ川島さんは旅立った。