尾上菊五郎が文化功労者
政府は30日、2015年度の文化勲章をノーベル医学生理学賞受賞が決まった大村智(80)と、同物理学賞受賞が決まった梶田隆章(56)、俳優の仲代達矢(82)ら7氏に贈ることを決めた。文化功労者には脚本の橋田寿賀子(90)、俳優・司会・エッセーの黒柳徹子、歌舞伎俳優の尾上菊五郎(73)、スポーツの川淵三郎(78)の3氏ら16人を選んだ。
菊五郎は都内のホテルで「誠にありがたく光栄」と笑顔を見せた。一方で、「賞を頂くのが私のゴールではございません」とキッパリと語り、「新しいスタートです。サッカー少年、野球少年のように、私は歌舞伎少年になり、目を輝かせながら、心とときめかせ、大好きな歌舞伎を務めていきたい」と話した。
妻で女優の富司純子(69)は「文化(功労賞)はあなたにあげるけど、奨励賞は私ね!」と言われたという。。
若い頃は歌舞伎に疑問を持ったこともあった。だが年齢と経験を重ねるうちに「魂が様式美になっている」と気付いた。力も抜けた。菊五郎は言う。「今が一番面白い」。菊五郎劇団を率いて古典の復活や新作にも取り組み、後進の育成に尽力している。
「次から次へと若手が出てきて頼もしい」と次世代に期待する反面、最近多く話題になる歌舞伎俳優の熱愛報道に「女性にかまってばかりいると、周りがどんどん進んじゃうよ」とチクリとやる場面もあった。
自身の今後については「10代20代よりは体のキレは落ちているけれど、それをフォローする若々しい気持ちを持って、若い人に負けないよう演じていきたい」とさらなる高みを目指すことを誓った。
来年5月に息子・尾上菊之助(38)の長男で、和史ちゃんの初お目見えの公演を行う予定であることを突然明かし、関係者を慌てさせる場面も。「でも、今の状態じゃ出せるかなー。今朝の状態じゃとてもじゃないけど…」と目を細めていた。