朝ドラ「あさ」嫁ぐ日の記録発見
NHK連続テレビ小説「あさが来た」で女優・波瑠(24)が演じる主人公・白岡あさのモデルで、大同生命保険や日本女子大学の創設に貢献した広岡浅子に関し、結婚時の記録や少女時代の手紙など数十点が見つかっていたことが23日、分かった。結婚前の浅子像には不明な点も多く、まとまった量の文献は当時の女性として型破りとされた人柄を探る手掛かりとなりそうだ。
浅子の生家で、後に財閥となる「三井家」を研究する公益財団法人、三井文庫(東京)が所有していた。村和明主任研究員が書庫を整理し、浅子や、浅子の幼名「照(てる)」の記述がある資料の存在を確認した。
15歳で大阪の豪商「加島屋」に嫁ぐ際の記録は、三井家の業務日誌に残る。1865年4月3日、照が「広岡信五郎様方へ御内入家」、翌4日に「御祝詞申上」と記されており、このとき結婚し、従業員が祝辞を贈ったことが分かる。
同月9日には浅子の姉・春も結婚し、同様の記録がある。ただ、春は婚礼がその日のうちに滞りなく済んだと記され、「お披露目の儀は追って」と後に持ち越された浅子とは異なる。村氏は「姉妹で婚儀の段取りが違って興味深い。考証の余地がある」と指摘した。
ドラマでは乱筆とされた浅子が10代に書いたという手紙や、巻紙に花柄模様がある春の文章もあった。それぞれ末尾に「てる」「春」と自署があるが、詳細は未解読。