「沈まぬ太陽」上川隆也で初ドラマ化
作家の故山崎豊子さんの長編小説「沈まぬ太陽」が俳優の上川隆也(50)主演で初めて連続ドラマ化されることが15日、分かった。WOWOWの開局25周年記念作として同局史上最長となる全20回で来春に放送される。ドラマではアフリカや中東ロケも敢行し、今月下旬から来年5月中旬まで約半年間撮影する。
来年4月1日に開局25周年を迎える同局が、節目を記念した長編オリジナルドラマ第1弾として来春から放送。09年には渡辺謙(56)主演で3時間22分の大作として映画化されているが、ドラマでは同局史上最長となる全20回、2部構成で文庫本5冊にまたがる原作をすべて映像化するという。
国民航空の労働組合で委員長と副委員長を務め、同志でありながら“組織”に逆らい、左遷され続けた男・恩地と“組織”に従い、出世し続けた男・行天。主人公・恩地元にフォーカスされていた映画版に対し、ドラマ版では恩地と、そのライバルとなっていく同僚・行天四郎(渡部篤郎=47)の対立軸を描いていく。
青木泰憲プロデューサーは「想像を絶する組織の不条理に決して屈することなく、最後まで正義を貫いた主人公・恩地の想いは、全20話を通して視聴者の心を掴みつづけるものと確信している」と期待する。
恩地を演じる上川は、95年に放送された山崎氏原作のNHKドラマ「大地の子」に無名ながら抜てきされ、脚光を浴びた。同作で第4回橋田賞新人賞を受賞するなど俳優人生の礎を築いただけに、約20年ぶりの山崎作品に「50代に入り、1つの大きな節目を迎えたこの時に、山崎先生の作品に携わる機会を得られた事に、何とも申し上げようもない御縁を感じます。感謝と共に驚きを禁じ得ません。虚心坦懐、臨みたいと思います」と気合いが入る。
ライバル役の渡部も「素晴らしい原作を映像化する事は、非常に困難な作業になると思いますが、多くの原作ファンの方に、納得し、楽しんでいただけるよう、心を込めて演じさせていただきます」と意気込み。脚本は、前川洋一氏がNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」後、初の作品として手掛ける。